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Safari 11「トラッキング防止機能」とPerformance Horizonの対応について

Posted by Simon Fung on 2017/11/06
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agreement-2548138_1920.jpg読者の皆様は、AppleがSafariのバージョン11.0に「トラッキング防止機能」(ITP: Intelligent Tracking Prevention)を実装したことについてはすでにご存知かと思います。本記事は、このITPがどのような機能なのかを紐解くと同時に、パートナーマーケティングチームにとってどういった意味があるのか、皆様のデータに対する影響を軽減するにはどうすればよいのかを解説します。

 

ITPとは

ITPは、iOS 11およびSafari 11のリリースと同時に導入された新機能です。ITP導入の背景には、利用者の行動を異なるドメインにまたがって追跡することに制限を加えようという考え方があります。

全ブラウザに占めるSafariのシェアについては、データによってばらつきがあります。弊社のクライアントベースは規模も大きく、全世界をカバーしていますが、これによるとSafariのシェアは約14.5%です。Safariには数多くのバージョンがあり、古いものでは2003年にまで遡ります。このうち、ITP機能が搭載されているのは最新バージョンのSafariのみです。

簡潔に言えば、ネット利用者のウェブサイト訪問に関する情報を異なるサイトにまたがって収集し、利用するのを制限するように設計されたのがITPです。これによって、ネット利用者のウェブ体験を改善しようというわけです。前述のような、異なるサイトにまたがる情報の追跡を「クロスサイトトラッキング」と呼びます。

 

動作の仕組み

ITPがどのように機能するかを説明するために、30日の有効期限を設定したトラッキングCookieをある企業が発行している場合を例にとってみましょう。従来、そのようなCookieは、期限切れとなるまでのおよそ1か月間、対象利用者の行動を追跡していました。30日間は、消費者が広告その他のマーケティング施策に接した結果、どのような影響を受けたかを把握するのに使えたわけです。

ITP機能を持つSafariブラウザは、追跡用CookieをApple独自のアルゴリズムが評価します。Cookieに関連付けられているドメインと消費者との直接的な関係が強ければ強いほど、追跡目的でCookieを利用できる範囲が広くなります。ITP機能はクロスサイトのトラッキングCookieを分類し、追跡データを提供する能力の一部は24時間後に無効化されます。能力が制限されたCookieは、過去に訪問したサイトに利用者がログインするのを助けるといった機能は保持する場合がありますが、サードパーティによるクロスサイト追跡の目的には使用できません。

 

サードパーティCookieの衰退

ウェブの黎明期においては、サードパーティCookieがパソコン向けウェブサイト用の追跡システムとして、長年君臨していました。広告を見た後、またはウェブサイトを訪問した後の消費者の行動について広告主が初めて理解できるようになったのは、サードパーティCookieが登場したからです。ところが、近年になって、そのようなCookieは依然として有用で価値はあるものの、顧客に関する全体的なデータを把握するには不完全な方法であることに広告主が気付き始めました。

なぜサードパーティCookieが有用なデータを収集する能力を少しずつ失ってきたのか、市場における変化など、理由となった事柄をいくつか挙げてみましょう。

  1. 使用しているデバイスから、消費者が積極的にCookieを消去するようになった。
  2. ブラウザやデバイスの設定でサードパーティCookieをブロックする機能や「広告による追跡の制限」を消費者が有効にするようになった。
  3. ヨーロッパやその他の地域において、ウェブサイトはCookieベースの追跡の可能性を開示し、消費者がそのような追跡に同意するか否かを選択できるようにしなければならないという要件が定められた。
  4. 米国においては、NAI(Network Advertising Initiative)による広告オプトアウトの仕組みとAd Choicesプログラムが施行された。

Cookieの追跡メカニズムとしての地位は、ゆっくり、少しずつではあるものの、長年の間に衰退し続けており、ITPの登場はこうした流れにおける最新のできごとであると言えます。要するに、すべての種類のCookieが何らかの制限を受けていたり、課題にさらされていたりして、しかもそのような状態はかなり前から続いています。中でも、サードパーティCookieが特に影響を受けています。

 

APIによるインテグレーションとピクセルベースのインテグレーション

パートナーマーケティングにおいて、最も広く使われている追跡手法は次のとおりです。

Cookieベースのピクセルによる追跡: Cookieは、ユーザーのブラウザ内に保存されます。消費者が何らかの行動を起こすと、パソコンやスマホなどのデバイス上に保存されているCookieが読み込まれて、該当するCookieの発行者へとデータが渡されます。ITPは、サードパーティCookieを使って利用者を追跡する能力に影響します。なぜなら、ブラウザ内のCookieの有無を送信するのかしないか、また、するのならいつまでするのかを、ITPが決定するからです。 

APIベースの追跡: APIベースのインテグレーションでは、検出された消費者の行動はトラッキングパートナーへと渡され、追跡と測定に使われます。このやり取りは、トラッキングパートナーとの直接のインテグレーションによって行われます。サードパーティCookieはこのプロセスで使用されません。つまり、ITPその他のCookieを制限する手法は、APIベースのデータ収集には影響しません。

 

Performance HorizonITP

Performance Horizonでは、お客様に最も正確かつ包括的なコンバージョンデータをお届けすることに注力しています。弊社は可能な限り総合的なデータセットをご提供し、お客様の次の業務を支援します。 

  • 自社の全パートナーマーケティング活動の価値を把握し、改善する
  • 自社ビジネスを伸ばすにあたって、各パートナーがどのような役割を果たしているかを完全に理解する
  • 各パートナーに対して適切な報酬を提供し、パートナーがそれぞれのプログラムをさらに拡大し、効率をあげる意欲を刺激する
  • 実用的なリアルタイム情報に基づいてプログラムの最適化や効果の最大化につなげる

弊社のソリューションは、広範囲にわたるさまざまなビジネス分野の主要企業を含む多数のお客様にご利用いただいております。また、各社様固有のニーズにお応えできるよう、多数の柔軟なソリューションをご用意しております。

各種のインテグレーションの中でも、最も多くのお客様にご利用いただいているのがピクセルベースのインテグレーションとAPIベースのインテグレーションです。

 

APIベースのインテグレーションを選ぶお客様が多い理由

弊社では、すでに数年前からAPIベースのインテグレーション手法をご提供し、お勧めしてきました。この手法の場合、クロスサイトトラッキングのデータは、パソコンやスマホなどのデバイス以外の場所に保存されます。 

APIを利用すると、サードパーティCookieに影響を与える施策によってデータに実害が及ぶことはありません。測定情報がクライアントのファーストパーティCookieに格納されるからです。すなわち、APIインテグレーションは、ブラウザがサードパーティCookieに対して強制的に課す制限の類に一切影響されません。

APIには、精度の高いアトリビューションモデルを実現できるという大きな利点もあります。消費者が関係したイベントが捕捉されると、そのすべてがサーバー側に保存されます。これによって顧客ジャーニーの全行程を理解できますので、コンバージョンに関与したパートナーだけでなく、上流で貢献したパートナーに対しても報酬を与えるような、特別なアトリビューションモデルや報酬体系を構築できます。

弊社がAPIベースのインテグレーションをお勧めするのは、その方が最も精度の高いデータを得られるからです。Cookieがファーストパーティかサードパーティかとは関係なく、Cookieのデータに基づくどんなデータセットよりも正確です。弊社のピクセルベースのデータも優秀ではありますが、APIベースのデータの方がさらに優れています。

 

それでもピクセルベースのトラッキングが選ばれるのはなぜか

とはいえ、一部のお客様には、ピクセルベースのトラッキングを選択する重要なビジネス上の理由があります。たとえば、広告の呼び出しや測定にサードパーティCookieを必要とする第三者配信 (3PAS)を利用しているお客様は少なくありません。それ以外にもピクセルベースのトラッキングを選ぶ理由があります。ピクセルベースの方が導入はやや楽です。マーケティングチームでウェブサイトのタグマネージャーを利用できる人であれば、タグコンテナーにピクセルタグを設置して、プレースメントや実行のルールを設定するのは簡単です。社内に技術が分かる人材が著しく不足しているという理由でピクセルベースを選ぶお客様もいます。結局、どちらを選ぶかはメリットとコストのバランスと言えます。 

 

今後取るべき対応は

もしお客様がAPIベースのトラッキングを採用できる体制にある場合は、ぜひそのように対応されることをおすすめいたします。APIベースのトラッキングは皆様がお考えになっているよりもスムーズに導入が可能です。できるだけ簡単に導入できるよう、弊社のチームがサポートいたします。筆者は10年以上にわたってインテグレーションに携わってきましたが、実装の複雑さはどんどん緩和されています。

APIベースのインテグレーションに必要なエンジニアの工数をできるだけ少なくするため、弊社のチームは工程の簡素化に非常に力を入れてきました。最近では、APIのインテグレーションに必要な日数が7日以内に収まる場合も多くなっています。多くのデータが流れる非常に複雑なインテグレーションの場合は、もう少し時間がかかることがあります。

どうしても今すぐAPIベースで導入できない理由がおありの場合は、弊社は極めて包括的で正確なピクセルベースのトラッキングデータのご提供も継続いたしますのでそちらを続けてご利用ください。ただし、ピクセルベースのトラッキングに関しては、ITPだけでなく他にも業界全体に影響する変化が起きようとしています。これらがピクセルベースのトラッキングの有効性を制限する可能性もあります。特に、いくつかのブラウザが広告ブロック機能を標準で有効にするという話もあります。トラッキングがブラウザの影響を受けないよう、今がトラッキング手法をきっちりと改善するよい機会かもしれません。

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Upgrading Pixel to API Package(J)_blog-1.jpg 

Topics: Support, Data, Safari

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PARTNERIZEは世界の先進企業の売上成長に大きく貢献する、強力なパートナーとの関係構築をお手伝いいたします。PARTNERIZEのパートナーマネジメントプラットフォームは、マーケティングプログラムの作成から管理・分析、人工知能を用いた将来の成果予測までを網羅するSaaSベースのプラットフォームです。数百もの世界的企業がPARTNERIZEのリアルタイムテクノロジーを活用し、世界の214の国と地域に渡って60億ドル以上のアフィリエイトプログラムを展開しています。詳細については、partnerize.com/jpをご覧ください。

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